コロナの頃-2 ― 2024年03月14日 07:26
2020年5月15日
週末も連休も出掛けられず、遊びに行けず。しかもテレワークの日は、通勤さえ無し。
なんだか、入港したのに上陸できないようなフラストレーション。
月曜から金曜まで会社へ行くのが、横浜からバンクーバー迄の航海なら、週末は遊びに行きたいし、入港したら上陸したい。
でも、みんな上陸できるのに、上陸できない運の悪い人がいた。
北朝鮮とかソ連に行くと、船員手帳に赤いスタンプが押される。他の国は押さないけど。ハングルは読めないけど、ソ連はCCCPというスタンプ、英語でUSSRの時代。
余計なことを。この為に、次の港で上陸させて貰えない人がいた。
韓国での入港手続中、船員手帳のチェックで最近北朝鮮に行った人が呼ばれて、何処の港から、北朝鮮の何処の港に、何の貨物を、何トン運んだ、港に軍艦はいたか、艦番号を覚えているか、など。
一説では、例えば原料炭(海運界では同じ石炭なのに製鉄所で使うのを原料炭、発電所で使うのを燃料炭と呼び分ける慣習)を5万トン揚げた、とかの情報を積み重ねると製鉄所の製造能力を計算できるとか、即ち軍事情報。
情報だけ取られて、あんたは北へ行ったばかりだから今回上陸禁止、と。それは無いだろうー。
軍事情報と言えば、港で釣りをしただけで、水深を測定した、スパイ容疑。ちょっと待て、港内の水深はチャート(海図)に書いてあるだろう。それは嘘ってこと?で座礁したらどうする!もう、意味不明。
昔のパスポートには『北朝鮮を除く』とあって、パスポートでは北朝鮮に行けなかった?船員手帳では行けてたけど。
私は北もソ連も行ったことは無いけど、行ったらやっぱりせっかくだから上陸したと思う。上陸しなくても、入港したらスタンプ押されるから、、、。
入港時間が短くて上陸できないこともあった。中古車をわずか27台だけ揚げた、ST. VINCENTのKingstown、もう絶対来ないだろうなーとタラップだけ降りたかなぁ―。
パナマでは現地代理店から『今日は選挙があって町が騒然としているから上陸しない方が良い』、キャプテンから上陸禁止命令。
遊びに行きたい、飲みに行きたい、飛びに行きたーい!
コロナの頃-1 ― 2024年03月13日 06:58
2020年2月23日
コロナが始まった頃です。今思うに結局、コロナ、ワクチン、何だったんでしょう?
アラスカにAnchorageという町がありますが、和訳したら錨地、船が着岸しないで沖で錨(アンカー)を入れるところです。
岸壁(埠頭、突堤、Berth、Dock、いろんな言い方あり)が塞がっていて、荷役待ちすることを沖アンカーとか沖待ちと言います。
検疫のための錨地は、Quarantine Anchorage(検疫錨地)。Quarantine Officer(検疫官)が乗船して検疫、問題無ければ『Yellow Flagを降ろして下さい』と言われます。
イエローフラッグは旗旒信号で『本船は検疫中』という意味。検疫錨地ではなく着岸してから検疫官が乗船するケースもあり、港によって様々。
実際は無線検疫(Radio Pratique)、予め要求されている質問に電報で答えるだけで検疫パスとなることがほとんど。船内にネズミの死骸があるか、体調不良の乗組員がいるか、など。
内地が風邪の季節でも、海上にはウィルスがいないので誰も風邪は引きません。しかし入港、上陸すると途端に罹患。そして船内でパンデミックとなります。職場も生活の場も一緒ですから。風邪は伝染病、と実感します。
船員はコレラとスモールポックス(天然痘)の予防接種をして、病院のスタンプとドクターのサインのある証明書(通称イエローカード)を保有する必要がありました。
コレラは6ヶ月、天然痘は2年の有効期間。インドでコレラの予防接種をした時、訪船したドクターが消毒用のアルコールも持っていなくて船から提供したり、注射針を使い回して、ぞっとした経験があります。
WHOが天然痘撲滅宣言をしたあとも、船員はしばらく予防接種していました。
中古車を中南米・カリブ海に運んだときは、イエロー・フィーバー(野口英世が斃れた黄熱病)の予防接種もやりました。有効期間10年。
ニッケル鉱石を積みに行ったフィリピンでは、上陸する前に衛生管理者(三等航海士)から『マラリアの予防薬をやろうか?』と訊かれて、最初は素直に飲んでいました。
強い薬のため胃をやられる可能性もあるとか、栄養状態の悪い、体力の無い人は発症するが、普通の日本人なら大丈夫という都市伝説?もあって、そのうち飲まなくなりました。
そうは言っても、外地で病気や怪我をするのは船員には致命的で、港によっては生ものは絶対に摂取しない、どんなにうまそうでも果物は避ける、ビールは目の前で栓を抜いて貰うとか、自衛は常識。
私はコレラにも天然痘にも黄熱病にもマラリアにも罹ったことはありませんが、コロナウィルスとやらはどれほどに危険なのでしょうか?
アメリカで、インフルではなくコロナ?とか。何事に依らず責任を持たず尻切れトンボ報道に終わるイエロージャーナリズムの方が危ない。
電信 ― 2024年03月10日 08:24
2017年6月11日
所用で横浜開港記念館に行ったとき、横浜地裁付近にこんなのがひっそりと。
この国の最初の電信は東京―横浜だったようです。
モールス符号を介した通信が電信、声をそのまま通信するのが電話、合わせて電信電話。
昔、私が船に乗っていた頃、国内通信は電信電話公社(ニッポン・テレグラフィー&テレフォニーでNTT)独占、国際通信は国際電信電話株式会社(KDD)独占でした。船の公衆通信はNTTとKDDからの委託、という形で取り扱っていました。
海上移動業務で電信が強制設備でなくなってからかなり経ちますが、未だに一般社会でも電信による遭難信号SOSはよく知られているようです。電話の遭難信号はMayday、言われるとそうか、って感じでしょうか。
遭難の一歩手前が緊急、電信ではXXX(エックスを3回)、電話ではPan(多分フランス語から?)。こちらは誰も知りませんね。
電信は・と―の組み合わせ、識別しやすいように、
SOSなら、・・・ー ー ー・・・
XXXなら、ー・・ー ー・・ー ー・・ー
です。
2019年12月22日
健診のため築地に行きました。ちょっと早めに着いたので病院付近を歩いて見ると、こんな石碑が。
橫浜地裁付近で見つけた石碑の相方です。
放送は一対不特定多数ですが、通信は一対一。築地と橫浜で日本最初の商業有線電信通信開始。
調べてみると明治2年は1872年、断髪令発布が明治4年、未だほとんどチョンマゲの時代だったようです。
ちなみにOK牧場の決闘が1881年、ビリー・ザ・キッドが殺されたのも1881年、ジェシージェームズは1882年。
私の古い友人アーリー・タイムズは1860年生まれ。
正確な時計 ― 2024年02月22日 12:31
2017年8月
インドからeBay経由でセイコーの古い時計を手に入れました。
随分丁寧に梱包してあり、電池を入れたら動きました。最悪動かなくても雰囲気だけでも、と思っていましたが、さすがセイコー。
緑の短針がUTC、黒の短針がJST。
赤い6分間は第一沈黙時間、電波の発射を止めてSOSを厳重に聴取する時間です。
緑の6分間は第二沈黙時間、電波の発射を止めてMAYDAYを厳重に聴取する時間です。
何れもGMDSSの施行に伴い廃止されました。
電波法60条で規定する正確な時計です。
(時計、業務書類等の備付け)
第六十条 無線局には、正確な時計及び無線業務日誌その他総務省令で定める書類を備え付けておかなければならない。
無線局運用規則
(時計)
第三条 法第六十条の時計は、その時刻を毎日一回以上中央標準時又は協定世界時に照合しておかなければならない。
こんな感じで設備されています。
私が最後に乗ったネルソン丸の無線室です。
原子力潜水艦 ― 2024年01月15日 19:36
1980年8月21日、沖縄本島東方110キロ洋上において、ソ連の原潜が火災事故で浮上せざるを得なくなり、ソ連に戻るために対馬海峡を通すか、通さないか騒いで、結局勝手に通ったとんだとおもいますが、そんなことがありました。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V25/N08/198008V25N08.html
https://www.aflo.com/ja/contents/13634404
洋光丸のセコンドオッサー(二等航海士)から、潜水艦らしきものとすれ違ったと聞きました。
ということは双眼鏡で見える距離だったのでしょう。レーダーでは識別できませんから。
本船はフィリピン、パラワン島リオツバから八戸向けて航行中でした。
Rio Tuba出港 2300 18/ 8/80
Hachinohe入港 1000 26/ 8/80
沖縄はパラワンと八戸の中間付近。
本船は15ノット程度、曳航されていた潜水艦のスピードは不明です。










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