内地に戻るまで8ヶ月2023年12月27日 08:17

ニューカレ2航海のあと、内地を出てから内地に戻るまで8ヶ月の航海となりました。
7年の船員生活で最も長い航海でした。

八戸でニューカレからのニッケルを揚げたあと、広島のドックで船体、エンジン、無線設備の検査を行いました。年1回の、車で言えば車検のようなものです。
1978年5月26日、ドックを出港。数時間後にエンジントラブルでドックに戻り、調整か修理して、今度こその出港が記録してある、上記日にちだったと思います。
ドックでの検査後は試運転を行いますが、その時は問題無く、出港してから問題が出たのでしょう。

積地は韓国の郡山(Kunsan, Gunsanとも)、仁川(Inchon, Incheonとも)、釜山(Pusan, Busanとも)の三港積み。括弧内に書いたように、英語表記は2種類あるようです。
積荷は鉄骨、ホットコイルという鉄板を巻いたもの、プライウッドという合板。

沖売りと言って、船に土産物を持ってきてパッセージ(通路)に並べて売る商売があります。日本語がペラペラでした。関西の育ちで、関西訛りが抜けませんと。朝鮮人参茶と漆器が多かったです。
デパートでも片言を話す店員がいて、自分の売り場以外にも何が欲しいのか聞いてくれて、連れて行ってくれるほど親切。
公定レート100円が47ウォン。円からウォンに替えるときは、銀行よりデパートやホテルで替えるのが得なようでした。

夕方6時だったと思いますが、街を歩いていて、気付いたら車も歩いている人も止まっていました。在韓アメリカ兵も気をつけの姿勢。後で知ったのですが、国旗を降ろす時間、国歌が流れて、車も人も停止するのだそうです。
喫茶店では、50円くらいの飲み物を驕ると女性がそばに座って話し相手になります。
交番で道を聞こうとしたら、その前に『身分証明書を見せろ』と。上陸許可証を提示しました。北との緊張があったからでしょう。
そうかと思えば仁川では、シップチャンドラー(船に食料などを売る業者)が、ソウル観光に行くなら有料で連れて行くと。上陸許可証では別の市へは行けないはずですが。
入出港手続き時、税関や入管にお土産をあげる、または要求される国もあるのですが、韓国では不要でした。

釜山出港78年6月12日。


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