モンゴル2024年02月04日 17:29

2004年、モンゴル出張がありました。

9月12日、北京経由ウランバートルへ移動。
JICAからモンゴル国家警察鑑識への援助機材である、ガスクロマトグラフィーという分析装置に使用するガス発生装置を設置するためです。
モンゴル警察(ユーザー)
JICA(購入して援助)
分析装置メーカー(当社製品を購入)
当社(分析装置に必要な周辺装置を販売)

分析装置は、麻薬を分析して薬物指紋からルートを解明することを目的にしているとか。
JICAから1回限りの緑色の公用旅券、official passportが発給されました。

北京での乗り換えでは、英語が通じなくて焦りました。
ウランバートルでは、同行した分析装置会社のエンジニアの荷物が出てこなく、部品も着替えも無い状態。
通訳と運転手にホテルに送って貰いました。
ホテルの名前はチンギス・ハーン。
外気温が1℃、暖房が使えない、寒い、念のためと持っていったフリースが活躍しました。

9月13日、JICA発行の予定表に従って『JAICA表敬訪問』。
自分を『表敬』しろとは、面白い組織ですね、JICA。
その後警察署長を表敬訪問。これは理解できます。

設置場所の警察署に行って問題発覚、3相電源がありません。日本で事前にJICAまで行って打ち合わせして、3相電源が必要と説明したのに、理解していなかったようです。表敬は取り消します。(^_^)
もうひとつ、水素発生装置に必要な純水がありません。これもJICAに説明済みです。

9月14日、署長が友人の第三火力発電所長に電話して、エンジニアが派遣され、3相電源を配線しました。
次は380Vから220Vへの電圧の調整です。何でも売っているバザールへ行って、50年前のソ連製トランスを、壊れていなければ払うという条件で持ち帰りました。発電所で絶縁、出力電圧などチェックして、幸い壊れていませんでした。

田舎から送ってきたものだと勧められて、警察署で昼間から馬乳酒を飲みました。酸っぱい甘酒という感じでした。
国会議事堂付近には、朝青龍が寄付したという公園がありました。
そんなこんなで私の作業は1日で終わるはずが、滞在延長、やれやれでした。

9月15日、コンプレッサー用のブレーカーを探しに行ったり、発電所からもう一人エンジニアが派遣されてきて、強電部分の配線・接続をやってくれました。

警察署長、警察官、発電所のエンジニア、運転手、通訳、皆さんとても協力的でした。
比べてJICAは、、、この頃、JICA職員の移動は全てファーストクラスというのが問題になっていた記憶があります。

9月16日、コンプレッサーが運転可能となりました
これがモンゴルで一番きれいな水だと、医科大学からもってきた水には目視で埃が浮いていましたが、仕方ありません。比抵抗5MΩ以上の純水が欲しかったのですが。
恐竜博物館に連れて行ってもらいました。
夕食会、ウォッカをストレートで飲むのが習慣のようで、飲めない人は大変です。幸いにも私はたしなむので。

9月17日、警察管理局の将軍(N0.3)を表敬訪問、急遽国会議員とmtgになったとのことでアドミのトップと15分程度面会、カメラマンが記念写真を撮って、記念のボールペンとメダルを貰いました。

コンプレッサー、窒素発生装置、水素発生装置の運転は全てOkayとなりました。

夕方、署長が車で1時間ほどの郊外へ連れて行ってくれました。
途中の景色、草原、木のない山、馬、牛、羊、絶対日本で見れない風景、感激しました。
別荘地とのこと。ゲル(モンゴルの丸い家)がありました。
その県のモンゴルで最年少の署長、もうひとり、ウランバートルの署長、カメラマン、運転手、通訳、分析装置会社のエンジニアとディナー。少々むりやり、ウォッカを3回イッキ飲み、国際親善のためがんばりました。
皆さんがすごく歓迎してくれて、恐縮しました。
当地の署長から携帯時計を貰いました。警察官に支給するもののようです。

9月18日、ウランバートルから成田直行で帰国しました。

12月2日、モンゴルの署長からFAXあり、滞在中に撮った写真を送った礼に加えて、クロマトグラフィーのトレーニングをしてくれる、警察、研究所または分析装置メーカーを見つけてくれないかとのこと。
JICA日本オフィスの担当者とモンゴルへ同行した分析装置メーカー担当者へ署長の要望をメールをしました。そして署長には、私が出来るのはここまでですと返信しました。
JICAからも分析装置メーカーからも私には返信はありませんでしたが、何か対応があったのかどうか。
機材を援助する前にモンゴル警察から人が日本に来てトレーニングをしたと聞いていましたが、いざ実機が設置されたら、トレーニング機材とは違ったりして戸惑ったのかも知れません。せっかく援助したものを生かせるまでサポートするのは、JICAの責任範囲と思います。