コロナの頃-52024年03月20日 06:59

2020年11月15日
風が吹けば桶屋みたいな、コロナ→リモートワーク→ハンコ廃止。

 船では、無線室で乗組員全員のハンコを預かっていました。運輸省海運局に提出する船員の雇い入れ(乗船)、雇い止め(下船)書類や海員名簿などに押印するためです。休暇下船するひとには、雇い止め手続が終わったら、船員手帳と一緒に簡易書留で郵送返却。
人のハンコを預かるのも、ハンコ文化では合理的ということになるのでしょうか?

 逆に外地に提出する入港書類には、船名などをタイプライターではなくシールでという要求で、ゴム印を押していました。船名は船舶国籍証書という公的書類を提示するので確実に照合確認できるのですが。
 シンガポールだったか、ローマ字のクルーリストを用意していましたが漢字も提出しろとのことで、急遽内地向け乗組員名簿を出したこともありました。当然キャプテンの署名欄は名前のゴム印と無線室で預かっている印鑑を朱肉で押したもの。韓国でも、漢字を提出したかすかな記憶もあります。
 Crew List(乗組員名簿), Crew's Possession  List(乗組員携帯品リスト), Narcotic List(医療用麻薬),  Firearms and Ammunition List(武器弾薬リスト)、Voyage Memo(過去数ヶ月の寄港地など記載、別名List  of Port of Call)、Cargo Manifest (貨物目録)などそれぞれ数部あって、全部キャプテンがサインします。
 でも大量の公的文書などは手書きは不可能で、サインも印刷になりますね。これも合理的。

 かように、サインも何が何でも本人の手書きではないし、どこかに登録でもしていなければ別の複数の書類と照合しないと本当に本人のサインかどうか分からない。
 印鑑は百均で買えるので必ずしも本人だけが保有・押印するわけでもないけど、実印は役所に登録されているのでこれは本人が押したことがある程度担保される。
必要に応じて、合理的に便利になれば良いですね。

 乗船・航海中に運転免許の更新期間が超過して失効したとき、乗船証明書を提出すると免許が更新できて、但し都道府県により会社の発行が要求されたりあるいは船のキャプテンの名前で良かったりで、ダメ元で休暇下船直前に自分で証明書を作成、船名、会社名、船長名等は信憑性を出すために当然スタンプを押しました。キャプテンの印鑑も預かっているものを使って、私が押しました。
私の当時居住していた県ではそれで更新できて、一旦失効したので自動2輪と普通車の交付日が同じになりました。
確か、ちゃんとキャプテンの諒解を得て作成したので、有印私文書偽造にはあたらない。
ちなみにググったら時効は5年とのことで安心。
出来れば、船員手帳には乗船日・下船日が記載されていて、海運局の確認印が押されているので、乗船証明など無くてもいいのがもっと合理的。

写真は船員手帳の1ページですが『愛人契約関係』と一瞬でも思ったら、あなたの心は汚れています。