再びのニッケル鉱石輸送航路 ― 2024年01月08日 12:46
NAME OF VESSEL M/S YOHKOH-MARU(洋光丸)
TYPE BULK CARRIER
CALL LETTER JQWZ
FLAG JAPANESE
G/T 24,970.50
D/W 41,378.00
Engine 10,000HP
L.O.A. 192.57m
WIDTH 30.00m
M/SはMotor Ship 、汽船のことです。M.V.と書くこともあります。Motor Vesselです。
これに対して帆船はS/S, Sailing Shipです。
汽船というとディーゼルエンジン以前のタイタニックのような蒸気船を思い浮かべますが、帆船で無ければ汽船という括りになっているようです。蒸気船はSteam Shilp、やっぱりS/Sですね?
タンカーやコンテナ船のように大出力が必要な場合、蒸気タービンエンジンとなりますが、昔の石炭を燃やした蒸気船とは異なり、、、こうなると通信士の私には分かりません。
BULK CARRIERは撒積貨物船、Bulkerともいいます。
FLAGは船籍、Nationalityと書くこともあります。
本船は当時、ニッケル鉱石専用船では世界最大と言われていましたが、出典は分かりません。
鉄鉱石や石炭を運搬する10万トン20万トンの船はありますが、ニッケルの産地と揚げ地の港の都合により、大きすぎる船は入港できない場合もあり、ニッケルとしては最大ということです。
積地では、空船の時は陸の近くにアンカーを入れて荷役、ニッケルを積んで船が沈んでくると水深の深いところにシフト(アンカーを揚げて移動、アンカーを再度入れる)を数回繰り返して、最終的に40,500トン程のニッケルを積みます。陸から船まではバージ(艀)にニッケルを積んでタグボートで曳いてきます。大きすぎる船はどんどん陸から遠くなり、積荷効率が低下します。
揚げ地はニッケル精錬工場のあるところ、八戸港の八太郎5万トン岸壁。岸壁は5万トンの船まで着岸できる設計ですが、最大喫水は10m70cm。八戸到着までの燃料消費で軽くなる分を計算して、ぎりぎり積める貨物が40,500トンです。
全長192m57cmの船に貨物を40,000トン積むと、貨物の重さで中心部は10cm程度たわむそうです。
本船は50トン積むと1cm沈むので、40,000トンで8m沈みます。
本船は三菱横浜造船所が桜木町にあった時に建造された最後の日本船でした。造船所跡地はみなとみらいになりました。
船体には満載喫水線の表示があります。
海域と季節により満載喫水線は複数あります。
夏と冬では海の荒れ方が違うので、積める貨物の量が違ってきます。
海水と淡水では水の比重が違うので、積める貨物の量が違ってきます。
貨物によっては川を数時間遡上することがあります。川は淡水です。海へ出ると船は少し浮きます。
熱帯地方は比較的荒れないので、ちょっと多め積んでも大丈夫です。
冬の北大西洋は荒れるので、少し少なめに積みます。
TF : Tropical Fresh Water (熱帯淡水)
F : Fresh Water (淡水)
T : Tropical (熱帯)
S : Summer (夏期)
W : Winter (冬期)
WNA : Winter North Atlantic (冬期北大西洋)
JG : Japanese Government (日本では他にNK(Nippon Kaiji Kyokai)が認証機関として存在)
本船でフィリピンRio Tubaに11航海、ニューカレドニアKouaouaに3航海しました。
本船ではニューカレの入港手続きがKouaouwaで出来る様になり、上陸もしましたが、逆にNoumeaに上陸することは出来なくなりました。
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